起業の仕方・うまくテイクオフするための5つのステップ

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以前、「起業アイデアの出し方7つの視点」という記事を多くの方に読んでいただけたので、今回はその続編的な位置づけで、具体的な起業の準備の仕方について、僕の個人的な経験則をベースにまとめてみたのでここで紹介したいと思う。

ちなみに僕は3年前に会社勤めをやめて、自分でWebマーケティング運営支援の会社を立ち上げて現在も経営している。

会社勤めをやめて、自分で起業しようと決心したのは、僕が46歳の時だった。

それから、なんだかんだ1年くらい起業の準備をして実際に会社を立ち上げ、そして現在に至っている。

現在、立ち上げた会社もおかげさまで様々なお客様から引き合いをいただいている。まだまだ成功といえる規模じゃないけど、少なくとも起業フェーズはうまくテイクオフすることはできたんじゃないかと思っている。

当時の僕が何を考え、どういった判断基準で起業準備を行っていったか、思い出しながら、僕なりの起業の仕方について以下、まとめてみた。あくまで一例として読んでもらえればと思う。

ちなみに、今回の対象は基本、自分の資本で、自分のリスクとオーナーシップのもと事業を立ち上げる、というケースを対象としている。

今、まさに自分で起業をしようと考えている方に、何らかしらの参考と勇気につながれば幸いである。

起業の仕方・うまくテイクオフするための5つのステップ

Step1.起業アイデアを考える

結論から言うと、起業に斬新なアイデアは必要ない。

事業プランは事業プラン、十中八九外れる。なので、「軽く、現実的で、しなやかな」起業アイデアを選択して実行すべきだと僕は考えている。

そんな「軽く、現実的で、しなやかな」起業アイデアを探したり、組み立てたりするきっかけになる7つの視点を、以下の記事で僕なりにまとめてみた。参考になれば幸いである。

ちなみに、当時の僕は、ゴールの起業アイデアを実現させていくために、直近のライスワーク(日銭が稼げるビジネス)と、ライフワーク(目指したいビジネスを実現させるための取り組み)のハイブリッドな起業プランを考えていた。

そして、その両輪のコンセプトは現在も続いている。

Step2.どういった手法で起業していくか?起業の仕方を選択する。(個人事業主か、法人か?)

起業アイデアが絞れてきて、具体的な準備に入る際、よく聞く相談に、「個人事業主でやるか、法人でやるか」という悩みがある。

手続き面や税制面など、いくつかの視点でテクニカルな分析をすれば、どちらが今の自分の起業イメージにあっているか、照らし合わせることはできると思うけど、僕的には以下を判断基準にしていけばいいかな、と思っている。

自分の技量だけで稼いでいくか、仲間と一緒にビジネスモデルを作っていくか?

自分の技量だけでまず稼いでいくのであれば、個人事業主としてスタートし、ある程度の所得になったら、税制面を考えて法人成りすればいいと思う。

一方で、初めから仲間と一緒にビジネスモデル(儲ける仕組み)作りに挑戦していくのであれば、法人からスタートとしておいたほうがいいかな、と思う。

ちなみに当時の僕は、自分がそんなに腕のいい職人ではないとわかっていたので、初めからいろんな人に協力してもらう法人化のシナリオで起業の仕方を考えた。

ちなみに「金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント」という本では、個人事業主と法人のそれぞれの働く価値観を以下に定義している。

個人事業主:人に使われるのが嫌いで、自分のやりたいことをしたいと考える。

法人:いかに自力を使わず収入を生み出す他力システムを作るか考える。

この基準に照らし合わせて、どういった手法で起業するか、起業の仕方を検討するのもアリだと思う。

ちなみに、「金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント」を僕なりに簡単にまとめた記事があるので、よかったらどうぞ。

Step3.起業のビジネス計画を作る。(まず数字を把握することが大切)

起業アイデアを実現させていく手法を決めたら、ビジネス計画を作る。

具体的には、月次の損益計画表を作ることをおすすめする。

起業はお金にシビアである。毎月、売上をきちんとあげていかないと、資本金はすぐに底をつく。

個人的には、起業のビジネス計画は、パワーポイントを使って自分が考えるビジネスモデルのポンチ絵を磨くより、エクセルで月次のキャッシュフロー計画をクリアにしていくほうに力を注ぐべきだと思う。

すると、最初に自分で作ったそれらの数字に愕然として、いきなりくじけそうになる(目を背けたくなる)と思うけど、大丈夫。それは誰しもが経験する起業を始める第一歩目なのである。

月次の損益計画表で実際に組み立てる以下の3種類の数字について、僕なりに思うところをコメントしたいと思う。

1.初期コスト

「初期投資」という言い方があるが、僕はそれらは全て「初期コスト(資産価値はない)」だと思っている。収益を生む資産で、初めからお金で買えるものはほとんどないと思っているからだ。

例えば、初めから開発費をかけてWebサービスを作ったとしても、それは資産にはならないだろう。おそらくリリースした後、また作り直したくなるからである。

それらを新規事業における「サンクコスト(埋没費用)」という。

なので、はじめにかけるコストは本当に出来るだけ小さくして、その分、寿命を伸ばす運転資金に当てることを初めての起業にはおすすめする。

2.ランニングコスト

ここもどれだけ毎月の固定費を抑えられるかが、とても大切だと思う。

はじめからきちんとしたオフィスは借りる必要はないと思うし、できるだけ運用は内製化して外注費は抑えたほうがいい。

税理士もはじめは決算時だけスポットでお願いする、くらいでいいのではないかと思う。

とにかく、はじめは何でも自分でやってみて外注費を極限まで落としたほうがいいと思っている派である。

見方を変えれば、起業しなければ味わえなかったであろうそれらの仕事を体験できる貴重な機会だと捉えれば、少しは楽しめるのではないか、と思う。それらはその後、外注に出す時に具体的にどんな内容の業務をいくらでお願いすべきか、算定する際に生きてくる経験となる。

一方で売上に比例する仕入れに関しては、ビジネスを成長させるために必要なので、初めから具体的な仕入れ先パートナーはいろいろアテをつけておいたほうがいいと思う。

3.売上

これはビジネスモデルによって、試算ロジックは異なるが、大切なポイント2つあると思う。

①入金ターム

顧客を獲得してから、実際に売上が入金されるまでどれくらいの期間がかかるか?が、試算表を作る際、とても大切である。当たり前だが、入金タームはできるだけ短いほうがよい。

例えば、大規模なWeb開発案件を受注した場合、工数がかかり、売上の入金は先になる。それよりか売上は小さいけど、入金が近い案件のほうが、損益計画的にはリスクが少ない。

1年後にもらう1,200万円より、毎月もらう100万円のほうがありがたいのである。

②粗利率

粗利とは、売上−仕入れのことである。

サラリーマン時代、損益試算は売上を見ていたが、自分で経営するようになってからは、粗利を見るようになった。

粗利が実際の自分のビジネスが提供する付加価値であり、キャッシュフローを生み出す源泉になる。

ここの粗利率をどれくらいで設定していくかで、儲かるビジネスと儲からないビジネスが分かれると思う。

これらの視点でビジネス計画を月次の損益計画表に落としこめたら、以下の3つのポイントで現実的に実行可能か今一度確認していくといいんじゃないかなと思う。

1.ビジネス計画を実行するにあたって、手元の資金で足りているか、確認する。

繰り返しになるが、初期コストはできるだけ少なくして、運転資金にまわしたほうがいい。

2.いつまでにいくらの売上を立てなくてはいけないか、第一関門のゴールを明確にする。

起業開始してから、何ヶ月の間にいくらの規模の売上を立てなければいけないか、第一関門のゴールを明確にする。(かなり気持ち的にピリッとする)

3.自分の給与が出せない場合、いつまで耐えられるか、第二関門のゴールも明確にする。

ビジネスの損益試算とは別に、自分自身の生活の損益試算も存在する。当初、自分のビジネスから利益が出ず給与も出せないような場合、自分自身の生活も持ちこたえられる状態になっているかどうか、今までの貯蓄や、退職金などの補填が可能か見積もっておく必要がある。

これらを踏まえた上で、いつまでにいくらくらいの売上規模に成長させないといけないか、第二のゴールも明確になってくる。(こちらもかなり気持ち的にピリっとする)

Step4.起業のためのアクションアイテムを洗い出す。

数字の面で計画が固まったら、次はアクションアイテムを洗い出し、着手の優先順位をつける。

例えば、当時の僕は、以下の4つの視点からアクションアイテムを洗い出していたような気がする。

1.家族、パートナー、お金の視点

これから新しく起業するのであれば、まずは奥さんをはじめ家族の理解と協力が必要だし、自己資本だけで会社の設立が難しい場合は、共同出資者探しも必要である。

そのためには、前述の損益計画と、そもそもその事業についてのビジョンなんかもドキュメントにしておいたほうがいいと思う。

ここが最初で最大の難関である。家族の理解をどう獲得するか、共同出資パートナーをどう獲得するか、このアクションアイテムについてのコツは、正直、ない。

まだサラリーマンだったりすると、これらのアクションアイテムの上に、退職の申し出や手続き、状況によっては会社との交渉などがさらに重なる。

これらの交渉において共通して言えることは、自分がなぜ起業したいのか、その事業になぜ取り組みたいと思っているのか、とにかく丁寧に、誠実に話し続けることなんじゃないかな、と思う。

2.ビジネス環境構築の視点

法人を作る場合の手続き手順としては、ざっと以下のような感じである。(抜け漏れあったらすみません)

1.まず会社のハンコを作る。(社印、認印、銀行印の3種類セット)

2.登記用の住所を用意する。(例えば登記可能なバーチャルオフィスと契約する)

3.代表電話を契約する。(上記のバーチャルオフィスの電話代行オプションとか契約すればOK)

4.会社登記する。(株式会社の場合、だいたい25万円程度の代行サービスで登記できたはず)

5.銀行口座を作る。(楽天銀行などのネット銀行がおすすめ)

7.法人クレカを作る。(オリコカードなど、法人代表者向けのクレカを契約)

あと、いろんな手続きや初期の環境構築はいろいろあると思うけど、それは頑張ってリストアップしてもらえればと思う。

PR) 法人登記可能な住所で専用の転送電話がついたバーチャルオフィスサービス

3.営業の視点

これは起業してなるべく早く売上を立てるために、最優先で取り組まなくてはいけないアクションアイテムである。

例えば、BtoBのビジネスモデルの場合、今までの付き合いの中で、新しく仕事を発注しれくれそうな人には、あらかじめ起業を行う旨の報告と挨拶をおこないつつ、プレ営業を早々に開始したほうがいいと思う。

余談だが、ここで今まで自分がどのようにまわりから評価、信頼されていたか、答え合わせ(自己採点)することができる。

今まで誠実に仕事をして、信頼されていたなら、自分が起業しても引き続き仕事を発注してくれる可能性が高いし、そうでなければ、そこまでの縁で終わってしまう。

とにかく、まずは今までのお付き合いの縁から売上を創っていくのが、起業の第一歩だと思う。

4.運用オペレーションの視点

運用オペレーションはビジネスごとに様々あると思うけど、基本的には以下の2つに集約されると思う。

1.フロントの運用オペレーション(プロフィットを生む部分)

例えば、自分のビジネスをアピールするWebサイトの運用や、Webプロモーション活動など

2.バックヤードの運用オペレーション(ビジネスを維持していくのに必要なコスト部分)

例えば、問い合わせ対応業務や経理処理など

基本原則としては、起業当初は両方とも初めは内製化したほうがいい、というのが僕の持論である。

そして、ある程度、それぞれの業務内容が体験できた段階で仕組み化していけばいいと思う。

1のフロントに関して言えば、外部の協力してくれるパートナーがいるかどうか、2のバックヤードに関していえば、できるだけRPAやiPssSを使って自動化、定型化していくというのが僕的にはおすすめである。

Step5.起業準備に取り掛かる

Step4で洗い出したアクションアイテムをベースに実際に起業準備に取り掛かるというステップである。

まず「1.家族、パートナー、お金の視点」で起業を行うコンセンサスの目処がたったら、「2.ビジネス環境構築の視点」で、実際のビジネス環境を作る。

そして、それらの手続きをしながら、「3.営業の視点」で実際のプレ営業をおこないながら、「4.運用オペレーションの視点」のフロントとバックヤードの環境構築を進めていく。

僕が実際におこなったプロセスもそんな感じだったような気がする。

これらの行動を進めていく際に、「もしかしたら自分が考えていた起業プランは間違っていたかも」と思ってしまうような経験をするかもしれない。

例えば、家族の反対であったり、パートナーが探せなかったり、売上を見込んでいたステークホルダーから素っ気ない返事で断られたり、いろんな知人からの評論家的なアドバイスであったり。。。

それで、一旦その起業プランの実行を取下げるか、ちょっと修正しながらそのままとりあえず突っ走るか、どちらの判断が正解かは誰にも断言はできない。

でも、僕の個人的な経験則で言うならば、まだ船出していない段階でまわりが言う言葉に惑わされてはいけない、ということである。

起業を決意したのであれば、プランの修正こそすれ、もし起業を躊躇する気持ちが芽生えたのであれば、そこはもう一度自分と対話してみたほうがいいと思う。

あと、僕的な経験則で言うならば、「石の上にも3年」ってのは、本当だなぁということである。

とにかく、事業プランは事業プラン、十中八九外れるものだと思う。

なので、「軽く、現実的で、しなやかな」起業アイデアを選択して実行しつつ、「石の上にも3年」試行錯誤していくのである。

そうすると、何かテイクオフしていくきっかけが掴めるんじゃないかな、と思う。

もちろん、それも絶対ではないけれど。

まとめ:起業の仕方・うまくテイクオフするために

以上が、僕なりの経験をもとにまとめた、起業の仕方の5つのステップである。

これらのステップを通じて、起業をうまくテイクオフするためには以下の3つの視点が必要なのかな、と思う。

1.はじめから大きな資本でやらない。コストをかけすぎない。

繰り返しになるが、初期コスト、月の固定費はできるだけ小さくして、筋肉質な事業運営を心がけるべきだと思う。それには、はじめはできるだけ自分でやってみることが大切だと思う。

あと、はじめから大きな資本でやろうとうすると、自分だけの身銭でできなくなり、複数の出資者を募ったりすることになる。

結果、出資者間の利害調整という、これまた大きなタスクが発生して、これだけで自分の時間も奪われていくことになってしまうので、そういう意味でも大きな資本でビジネスを開始するのはおすすめしない。

2.はじめは営業が大切。サービス開発とかブランディングは二の次かな。

ビジネスで一番大切なのは営業力である。そしてある意味、創業者というのは、一番の営業マンになる必要がある。

サラリーマン時代、僕は企画部署にずっといたので、営業とかやった経験はほとんどなかったが、起業してからはもっぱら新規顧客獲得の営業に自分の時間を優先的に割いている。

ビジネスの基本はやはり人対人の関係作りである。0から1を創っていく初期段階においては、ありきたりなブランディングやWebマーケティングを展開していきなり量を狙っていくのではなく、まずは1人1人、顧客候補とフェイスツーフェイスなコミュニケーションから営業を積み重ねていくプロセスが大切だと思う。

そこで得た顧客の本当のニーズ、課題から、サービス開発や自社のマーケティング戦略にフィードバックさせていく取り組みが、魅力あるサービスや効果的なマーケティングシナリオの実現につながる。

その学びと反映のプロセスを、いかに深いレイヤーで回せるかが、初期の0から1を作っていく際には大切である。

3.資産となる行動を積み重ねていく(できるだけ、自分の時間を切り売りしない)。

僕が起業して、優先して自分の時間を割いているものは、前述の「新規顧客獲得の営業」の他にもうひとつある。それは、「資産作り」活動である。

「資産作り」活動と言っても漠然としすぎていると思うので、もう少しブレークダウンすると大きく2つある。

1.Webコンテンツ作り

僕が経営しているディレクターバンクで提供しているオウンドメディアや、たまにこのブログなんかでコツコツとコンテンツを創っていくこと。

2.業務プロセスの仕組み作り

業務プロセスを主にRPAなどを使って自動化する仕組みに仕上げていくこと。

前者は、それがストックしていけばいくほど、Webでの集客力が高まり、新しい顧客獲得に繋がる。

後者は、それが精緻になっていけばいくほど、ビジネス規模が成長した時に、オペレーションコストが抑えられ、利益率が高まっていく。または、成約率が高まっていく。

両方とも、前述の「金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント」で記した、法人の働く価値観である「いかに自力を使わず収入を生み出す他力システムを作るか考える」取り組みなのである。

以上である。

最後に参考までに、僕がサラリーマンを辞めて3年経った時に書いた、起業時の自分にアドバイスしたい7つのポイントの記事も紹介しておく。

とにかくやると決めたら、後は行動のみである。

もちろん、安定していない働き方なので、いろいろドキドキすることが多いけど、逆にストレスなく、前向きに自分の人生の時間を過ごせているかな、と個人的には思っている。

意志のあるところに道は拓ける。石の上にも3年。

今、まさに自分で起業をしようと考えている方に、何らかしらの参考と勇気につながれば幸いである。

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