キャッシュフロー・クワドラントで今起きている働き方の変化を整理してみる。

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20年以上前に出版されたお金に関するベストセラー本「金持ち父さん 貧乏父さん」のシリーズ本で、「金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント」という本があるのを最近知った。

「キャッシュフロー・クワドラント」とは、著者のロバート・キヨサキさんが、世の中にあるいろんな職業やお金儲けの仕方を、シンプルに4つのタイプに分類(四分円=クワドラント)した考え方を表現した言葉で、そこでは、どういう働き方をすれば効率的に収入を得ることができるかが解説されている。

終身雇用、年功序列に代表される従来の日本型雇用制度が急速に見直されていく中で、今年、新型コロナが発生し、日本人の働く価値観は大きく変わろうとしている。

現在、起こっているそれらの働く価値観の変化を、このキャッシュフロー・クワドラントに当てはめると、どんなトレンドが読み取れるのか、僕なりの見立てをこのメモにまとめたいと思う。

これからの新しい働き方を模索している人にとって、何らかのヒントになれば幸いである。

まず、そもそもキャッシュフロー・クワドラントって何?といったところの説明から入っていきたいと思う。

キャッシュフロー・クワドラントとは?

世の中にあるいろんな職業やお金儲けの仕方を、シンプルに以下の4つのタイプに分類(四分円=クワドラント)した考え方

Eクワドラント:従業員(Employee)として雇用されて収入を得る。

Sクワドラント:自営業、個人事業主、フリーランス(Self-employed)として働いて収入を得る。

Bクワドラント:ビジネスオーナー(Business-owner)として経営して収入を得る。

Iクワドラント:投資家(Investor)として投資した結果、収入を得る。

著者のロバート・キヨサキさん的には、EクワドラントとSクワドラントを「貧乏父さん」、BクワドラントとIクワドラントを「金持ち父さん」と定義づけている。

そして、貧乏父さんグループと金持ち父さんグループの本質的な違いは、収入の「額」ではなく、収入の「質」にあると解説されている。

収入の「質」ってのを簡単に説明すると、貧乏父さんが、自分が働いた分だけ収入を得る(労働提供価値に比例した収入を得る)のに対して、金持ち父さんは、自分が働かなくても収入が入る仕組みを持っている(労働提供価値に比例しない収入システムを持っている)、というのが大きな違いのようである。

各クワドラントごとの働く価値観を簡単にまとめると、こんな感じ↓。

Eクワドラント:従業員(Employee)
・不確実な状態を嫌い、安心で安定した仕事を望む

Sクワドラント:自営業、個人事業主、フリーランス(Self-employed)
・人に使われるのが嫌いで、自分のやりたいことをしたいと考える。

Bクワドラント:ビジネスオーナー(Business-owner)
・いかに自力を使わず収入を生み出す他力システムを作るか考える。

Iクワドラント:投資家(Investor)
・お金を働かせてお金を得る方法(=投資)をベースに基本的に物事を考える。

詳しくは、こちらの「【5分で分かる】キャッシュフロークワドラントの要約」のページがとても丁寧で参考になるので、よかったらどうぞ。

キャッシュフロー・クワドラントで今起きている働き方の変化を整理してみる。

これらの「キャッシュフロー・クワドラント」に、現在、日本で起こっている働く価値観の変化を当てはめてみると、どんなトレンドが読み取れるのか、以下、僕なりの見立てをまとめてみた。

Eクワドラント:従業員(Employee)のトレンド

終身雇用、年功序列に代表される従来の日本型雇用制度(メンバーシップ型雇用)が急速に見直され、Eクワドラントが望んでいる、安心で安定した雇用環境というのが難しくなっている。

一方で「ジョブ型雇用」「ダブルワーク(副業)OK」などの雇用契約スキームも広がりつつあり、トレンド的にはEクワドラントの人たちが、Sクワドラントにシフトしてきているんじゃないかと思う。

見立てとしては、ホワイトカラーのサラリーマンの仕事で、下流工程的なものに関してはRPAに置き換わり、上流工程やヒューマンスキルが求められるのは、スペシャリスト職としてSクワドラント化していく流れに大きく分かれていくような気がする。

Sクワドラント:自営業、個人事業主、フリーランス(Self-employed)のトレンド

ここはこれから増えていくクワドラントなのだろう。特にIT業界のSクワドラント化は顕著である。

IT業界のSクワドラントの特性としては、会社の人間関係に縛られずに自由に興味のある仕事をしたいという好奇心と、それによって好きな分野のノウハウをいつもキャッチアップしていきたいという向上心を可能にする働き方を望む人が多い。

Bクワドラントのビジネスオーナーや経営層から見ると、今までは、いかにEクワドラントの枠で、優秀な人材を獲得・育成していくか、という思考でマネジメントしていたと思うが、これからは、これらのSクワドラントとどうやって協業していくか、という思考がとても大切になってくるのだと思う。

企業と個人の関係が、「雇用・就労」の関係から「協業」の関係に変わっていく感性がこれから大切になってくると思う。

Bクワドラント:ビジネスオーナー(Business-owner)のトレンド

今までビジネスオーナー(会社経営者)といえば、そこそこの資本金をベースに会社を経営しているイメージがあったが、これからは、マイクロ法人(一人会社)が増えていくような気がする。

参入する業界によって差はあるものの、昔に比べてどんな事業も資本金の壁は低くなってきている。

例えば、ネットビジネスに関して言えば、 数万円とか数十万円くらいの持ち出してホームページを立ち上げて商売が開始できる。

あとはネット上のブランドや集客導線が確立できれば、それをビジネスエンジンとしてマネタイズしていけば極論OKである。

一方、法人化することによって、売上が大きくなった時の税制メリットは個人事業主より大きい。

こういったマイクロ法人的な新しいBクワドラントは、Eクワドラントを雇用するだけでなく、Sクワドラントや他のマクロ法人的なBクワドラントとの協業によって、ビジネス規模の拡大を図っていくことが考えられる。

Bクワドラントには、「いかに自力を使わず収入を生み出す他力システムを作るか考える」思考があるが、ここにはおそらく「ネットを活用した集客システム」や「ITを活用した自動化」というのが、かなりの共通解になっていくのだと思う。

Iクワドラント:投資家(Investor)のトレンド

Bクワドラントに「マイクロ法人」が登場してきたように、Iクワドラントにも「小口投資家」という属性が増えていくのだと思う。小口投資家としての具体的な投資スキームとしては、例えば「クラウドファンディング」がある。

Iクワドラントは普通、「お金を働かせてお金を得る方法」を考えるのだけど、こういった小口投資家の場合は、お金を得るのが主目的ではない。

例えば、価値観が共有できる人とのつながりであったり、そんな人たちと過ごせる時間を獲得するための投資だったりする。

収入を得る視点で考えるのであれば、小口投資家はあまりお金にならないので、他のクワドラントに所属しながら、兼業でIクワドラントにもいるというスタイルが、現実的なところなんじゃないかな、と思う。

まとめ:単に収入を上げるだけじゃなく、充実した時間をどれくらい手に入れられるかが大切だと思う。

人生において「収入を増やす」というのは単なる手段である。

なので、極論、金持ち父さんを目指す必要はない。

本質はそこではなくて、いかに自由で充実した人生の時間を手に入れられるかである。

そのための収入であり、働き方なのである。

それに充実した時間を一緒に過ごす人間関係(コミュニティ)もそれなりにあったほうがいい。

そういう意味で、「キャッシュフロー・クワドラント」は単に収入を拡大させるだけでなく、自由な時間を獲得するための働き方や、同じ価値観を持った人達と出会うためのヒントとして、参考になるんじゃないか、と思う。

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