SWOT分析というプロレス

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新規事業企画の仕事の中でよくやる作業に「SWOT分析」というのがある。
強み 、弱み 、機会 、脅威 の4つのカテゴリーで外部環境と内部環境の要因分析をおこない、なぜ、その新規事業企画に取り組む必要があるのか、前段の導入部の説得ロジックとして使い回されることが多いフレームワークである。

使い方としては、内部の強みと、外部の機会を結んだ一本の線上に新規事業のコンセプト仮説が乗っかるようにSWOTを利用するのが基本である。
その他の内部の強みと外部の脅威、内部の弱みと外部の機会を結んだそれぞれの線は、お互い相殺し合う関係にあるので、消し込みをし、内部の弱みと外部の脅威については、基本どうもしようがないので「考えられるリスクですよね」的なところに留めて、新規事業の企画導線からは一旦は排除しておくことが多い。
SWOTのコツは、どのような角度やレベル感でそれぞれの4象限に文字を置いていくかに尽きる。
なので、分析というと客観的で論理的な響きがあるけど、僕的には、かなり恣意的なプロレスのアングル作りだと考えている。
そもそも、SWOTのプロセスからアイデアが生まれることはなく、アイデアを理にかなった風に資料化するために、SWOTのフレームワークを後付けで利用している、というのが実態ではないだろうか。
だから、何とでも「強み」レスラーや「弱み」レスラー、「機会」レスラー、「脅威」レスラーを後付けで考え出して、それぞれを4象限のリング上に登場させることができる。
そこにはもう、アングルが存在している(誰が勝者か予め決まっている)ので、このレスラーのこの行為は反則ではないか、こんな「脅威」レスラーも登場させるべきじゃないか、といった議論をしたところで野暮な話なのである。
サラリーマン時代に、役員会や社内の投資委員会などで新規事業の企画提案をする時、SWOT分析の説明を求められて、その分析結果の内容についていろんな議論が延々続くことに妙な違和感を覚えたことがあった。
そして、気がつくとみんなで弱みネタや脅威ネタばかり出しまくって、ここにいるメンバーはみんな、新しいことチャレンジしたくないメンバーなのね的な議論のオチになってショボンとすることが過去、何度かあった。
全ての物事には二面性が存在する。
人の性格もそうだけど、長所は短所にもなる。要は、それをピンチと取るかチャンスを取るかである。そこには当事者の意志が存在する。だから、僕は、SWOT分析というのはプロレスだと思っている。
そう思うと、新規事業提案書のどうでもいい「SWOT分析」で噛み付いてきた役員は、そもそも僕のことが気に食わなかったんだなぁ、と後になって思うし、そう考えると、相手もロジカルに指摘しているふりをながら、そういう意志をもって僕に接していただんだなぁ、と今になって気づく。
いろいろ理論武装しみても、所詮お互い人間だもの、なのである。
 
 

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