僕はずっと新規サービス企画や事業企画という領域で仕事をしてきた。
そして、新規の事業領域への参入する場合、その領域に明るいベンチャーや個人のプレイヤーと協業関係を作って参入することが多かった。
初めの組み方は、だいたいこちらからの業務委託の発注から始まるのだけど、それを同じプロジェクトを進めていく協業パートナーの関係にどう高めていくかということに、毎回試行錯誤していたような気がする。
それは、協業モデルの経済条件の交渉というより、一緒に同じプロジェクトに取り組む人間関係をどう構築するか、という課題のほうが大きかったような気がする。
要は、どこまで協業パートナーにやる気になってもらうかという話である。
ということで、新しいパートナーと良い協業関係を作るために僕が気をつけていた3つのポイントを以下、公開してもOKなメモに書いておこうと思う。
1つ目は、相手の仕事内容に興味を持つということ。
一見、当たり前に思えるけど、これが結構難しい。
その仕事はパートナーに任せたから、期日までにアウトプットを出してくれればいい、というスタンスだとなかなか距離が縮まらない。
その間、ちゃんと相手の仕事のプロセスに興味を持って、その中身を学ぼうとすること。具体的には都度質問していくことだ。
そこでパートナーのやっている業務への理解が進み、本当のリスペクトが生まれる。
2つ目はパートナーとのやりとりの中で、どんな些細なやりとりも曖昧に終わらせないということと、そこで生まれた約束はどんな小さなことでも必ず守るということだ。
こうすることによって、コミュニケーションに緊張感が生まれるし、その関係を通じてお互いに信頼関係が生まれてくる。
3つ目はこちらの動きやビジネスがどうなっているか、できるだけ詳らかに(できれば楽しく)伝えて、こちらのやっていることに興味を持ってもらう努力をし続けることだ。
それは、一担当者の社内調整の苦労話を伝えることではなく、ビジネス主体者としての視点で、その可能性を社長に代わって伝えていくスタンスだ。
(担当者の愚痴ほどつまらないものはない)
当初は業務委託という形でパートナーに自分のプロジェクトへの協力をお願いした場合、受注者であるパートナーは、ある意味「その道の先生」である。
すると、自分たちは発注者という「お客」ではなく、ある意味「その道の生徒」として自分たちを定義づけてみたらどうだろうか。
初めは学びから始まるのだけど、協業関係にするためには、やがて自分たちのほうこそパートナーとして認められる立場に早く成長しなくてはならない。
変わるべきは自分たちなのだ。
協業関係を作るコツはそこにあると思う。
それはつまり、パートナーに協業相手としての意識変化を働きかけることではなく、自分自身の仕事の仕方をパートナーに合わせて変えていく努力をしていくことなんだと思う。