先日、ウェブディレクターの人たちのミートアップに参加した。
その時、ウェブディレクターの見習いをしているという20代の女性から質問を受けた。
「ディレクターに必要なスキルって何ですか?」
僕は一瞬悩んで、思いついた答えを口にしてみた。
「会議室を予約するスキルかなぁ」
これはまずいぞ、と一瞬で悟った僕は、続けてフォローする。
「ほら、みんなのスケジュールのアンドが取れてから会議室を予約するとどこも取れなかった、ということってあるじゃないですか。
やはり、できるディレクターは、この辺りでみんなのスケジュールが合いそうだと思ったタイミングで先に会議室の予約を取っておく訳ですよ」
僕は続ける。
「そもそも、いつもあらかじめたくさん会議室を予約しておいて、他の使いたい人にも譲って、タダで恩を売ってるくらいの人ができるディレクターかもね」
彼女はとりあえず「なるほどですね」と言って愛想笑いをしてくれた。
そして、今、僕はなぜそんなことを言い出したのか、冷静に考えている。
ディレクターに必要なスキルとは?
要は、段取りがいい奴、と言いたかったのだと思う。
この時点で、僕は話す段取りが悪いのだけど。
段取りがいい奴、ってのを要素分解すると、察知能力が高くて、調整能力が高い奴ってことになるのかもしれない。
察知能力というのは、これからこんなことが起こりそう、というアンテナをいろいろ張り巡らせて、先手を打っておく能力。
調整能力というのは、いろんな立場やバックグランドの人たちの間に入って、みんなを安心させたり納得させたりする能力。
そして、最後に失敗を「てへ」でゴマかしてしまう度胸も大切なような気がする。
そう考えると、ディレクターというのは全く専門職ではない。そもそも、明確なスキルセットで得られる職業でもない。職業というよりポジションなのだ。
要は「てへ」とか言ってもまわりに認められる人間が、ディレクターなんだろう。(ちょっと歪めた)