PDCAサイクルの功罪

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組織で仕事をしていると、「PDCAをきちんとまわしなさい」という言葉をよく聞く。

これは組織で仕事するための必要なルールなのだが、一方で新規事業企画を担当している者としては、とても面倒なプロセスだ。

なぜならば、「今のダメなところを振り返ることに時間を使うより、次の鉱脈を探すほうが重要だ」と思ってしまうからだ。

一回何か計画(PLAN)して行動(DO)をおこせば、その後に社内向けに「検証」「改善」プロセスを報告しなければならない。

その報告に対して、ウマの合わない役員から「振り返りがまだまだ甘い」などと突っ込まれた日には、「なぜなぜ分析レポート」の提出を言い渡されたりする。

こうなれば、ほとんど被告人だ。

価値を0から1生み出すイノベーション部門と、1を100に増やしていくマーケティング部門、そしてリスクを100から1に減らしていくコスト部門では、「PDCAサイクル」の回し方、もっと端的にいうと、それぞれの部門ごとに重要視するステップが違うはずだ。

「PDCAとは 〜その効果と問題点」という記事で著者の川口さんはこう記している。

PDCAは済んだこと、過去を対象にして考えるために分かりやすく、つい万能視しがちです。しかし上に書いたように、未来や理想、市場や顧客の行く先を見つめる視点が失われた際には、労力の割にほとんど効果のない活動になる可能性もあるということを理解しなければなりません。

PDCAとは ~その効果と問題点 https://www.insightnow.jp/article/5518

過去を振り返る「フィード・バック」だけでなく、「どのようにすれば、あの理想を実現できるのだろう?」というフィード・フォワードという視点を合わせた両方で自分たちに問いかけるという作業が必要とのこと。

確かに僕もそう思う。

そして、フィード・フォワードのアプローチで組織内で合意形成する際、大切なのは組織のトップが真っ先にフィード・フォワードのリーダーシップを取って、組織を引っ張り、その視点を現場に投げかけていることだと思う。

未来という不確かなものは意思のあるリーダーの下でしか現実にはならないと思う。

だから、僕は「なぜなぜ」しか問いかけない年寄りにはならないように注意したいと思う。

ちなみに、新規事業に役立つフレームワークと実際の使い方を僕なりにまとめた記事もあるので、よかったらこちらもどうぞ。

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