RPAで考えるこれからの働き方

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今年に入って僕の中で盛り上がっているキーワードのひとつに「RPA(Robotic Process Automation)」がある。
端折って説明すると、自分がパソコンを使ってやっているルーティン業務の操作を、ソフトウェアに覚えさせて自動実行させる技術のことだ。

僕は自分の会社を運営する中で、特にWeb運用周りの業務を、Zapierというツールを使っていろいろと自動化している。 (以下、その記事。興味がある人はどうぞ)


RPAのソフトウェアに自分の業務を設定するために必要な前処理というのは、基本3ステップくらいある。
Step1は、「どの業務を自動化させるべきか、業務を洗い出して対象を決めること」
Step2は、「対象業務の作業内容を見える化すること」
Step3は、「見える化した工程をRPAに設定できるロジックに標準化すること」
である。
ここまでできれば、あとはRPAが自動で情報処理業務をしてくれる。
毎回レポートを自動で作ってくれたり、メールチェックして情報の振り分けとかしてくれる。
便利である。
たまに自分が設定した擬人化したチャットアカウントが、僕に対して労いの言葉も喋ってくれる。
素敵である。
ロボットに人間の今の仕事が奪われる的なニュースを最近目にすることが多いけど、この環境を作ってみて思ったことは、ロボットに奪われるレベルの仕事はさっさとロボットに与えればいいんじゃないかということだ。
一方で、これからの人間の働き方として「仕事をデザインする力」がさらに求められると思う。端的に言うとロボットをディレクションする能力である。
・なぜ、その業務をやる意味があるのか?
・その業務をどうやったら、誰でも(ロボットでも)できるようなれるのか?
・その業務をどうやったら、高い成果を生む活動に変化させられるのか?
その辺を考える力である。
今まで、「職人技」とか「属人化」とか言われてきた仕事のブラックボックスが、オープンになって、フェアに評価される時代になってきた、ということなのだろう。
今までいろんなWebサービスのディレクションをやってきたけど、ディレクターに求められる資質のひとつにも、「誰かに仕事をお願いする前段階の準備や手配を、的確に設計できる能力」というのがある。要は仕事をデザインする力である。
そこまでして人に仕事をお願いするくらいなら、自分がやったほうがよっぽど早いし、いいクオリティの仕事ができる、みたいな話をする人がいるけど、それは間違いである。
これからは、ロボットが一番いいクオリティの仕事を大量にこなす時代になるのだ。
仕事をデザインする力、というのは、まず、自分自身がやっている業務を評価して、その存在の必要性を冷静に判断する勇気から始まるような気がする。今の仕事で培った自分の居心地のいい箱庭に閉じこもっている場合ではないのである。
何かの本で引用されていて、うまいこと言うなぁ、と思って、メモしている言葉がある。

「官僚主義は、自分たちは必要な仕事をしていることを(とりわけ、実は必要ないのではないか、と思っているときほど)証明しようと忙しく動き回っている人々によって築かれていく」

RPAで考えるこれからの働き方で大切なポイント、それは、自分のやっている今の業務も含めて、仕事をスクラップ&ビルドしていく、勇気とスキルなんじゃないかな、と思う。
そして、そんなことを書きながら、やっぱり今年もギリギリまで仕事をしている自分がここにいる。RPA入れたのに。まぁ、いいや。来年も引き続き、いろんな働き方に挑戦したいと思う。
ブログを読んでいただいてありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。

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