サラリーマンはプロレス、独立は異種格闘技(後編)

  • LINEで送る

一方、今、独立して思うことは、独立した後の世界は全くプロレスが通用しない、それこそ異種格闘技の世界だということだ。

異種格闘技といっても、相手を倒し合うのではなく、基本win-winの構図が創れるかどうか交渉するために組み合うイメージだ。
それぞれ独自のプレイスタイル、間合いで組み合い、相手は自分にとって一緒にビジネスを創れるパートナーになり得るのか?様々な視点で可能性を探り合う。
切れ味のいい企画書やアイデアなど、そんな駆け引きの中では導入部にすぎない。
一番大切なのは、自分自身に興味を持ってもらえるかの一点につきる。
僕はそんな中では、できるだけ前向きな話をしようと努力する。当たり前だけど。
「それもアリですね」という言い回しも、そんな時はよく使う。
先月、あるベンチャーの経営者の方にお会いした時、こんな話を僕にしてくれた。

独立してから、自分がやろうと思っていたビジネスが、思ったほどうまくいかないケースが殆どだと思いますよ。
そして、まわりの人から、あなただったらこんなことがお願いできるんじゃないか、っていう仕事の依頼が来て、3年くらい実はそれでなんとか食べていけるってのが私の経験則です。
それは、あなたが本来思っていたやりたい仕事ではなく、あなたのまわりが勝手にあなたをイメージして作った仕事なんです。
でも、それはそれでありがたく受けながら、その仕事の延長線上であなたがやりたいビジネスを次に描いていけばいいと思うんですよ。
そして4年後に、あなたらしい本当のビジネスモデルがそこで創れているかどうか、ってのが実は大きな分かれ道だと思いますよ。

確か7つの習慣に似たような話があったことを思い出した。
第5の習慣に「理解してから理解される」というのがある。
まず相手を理解しようと努めないと、自分は理解されないという話だ。まわりの人たちとの仕事をありがたく受け入れられない限り、自分がやりたいビジネスは机上の空論で終わる。そのトレードオフの中で現実的なwin-winが築かれていく。
異種格闘技の世界だからこそ、自己主張も大切だけど、いろんな人の話を聞きながら、柔軟な第三案を作っていく力を磨いて行かなくてはと、最近は思っている。

  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。