由来から紐解く、打ち合わせする意味

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「会社勤めを辞めて良かったことは?」と聞かれた時、「無駄な打ち合わせに参加しなくてすむようになった」と答えることがある。

当時を振り返ると、本当に無駄な打ち合わせが多かった。

・ブレストという名の長時間のダラダラとした打ち合わせ

・定例会という名の毎回同じような資料を読み上げるだけの打ち合わせ

・作戦会議という名の単なる人事や社内政治についてのヒソヒソ話

そして現在。

サラリーマンを辞めて自分で事業を始めたということもあるが、さらにコロナ禍でリモート中心のワークスタイルに変わったこともあり、打ち合わせのスタイルは大きく変わった。

・基本、オンラインMTG。時間は30分から長くて1時間。

・はじめにちょっとしたアイスブレークはあるものの、本題・ゴールを明確にして打ち合わせを開始。

・打ち合わせの最後は、全体のまとめと次のアクションアイテムを明確にしてクロージング

例えば、そんな感じ。

昔に比べて、はるかに無駄のない打ち合わせができている。とにかく無駄がない。

そして最近感じていることはこんなことである。

無駄のない打ち合わせはできているものの、そもそもそれらの打ち合わせは生産的な打ち合わせになっているのだろうか?

確かに、オンラインMTGやファシリテーションの工夫で、時間のコスト圧縮は大幅にできている。

しかしながら、一方で、Face to Faceに比べてリモートだと、物理的距離が離れている分、心理的距離を詰めてお互いの本音や、まだ煮詰めきれていないアイデアを打ち明けるような話はしずらい。

打ち合わせの語源は、日本古来の雅楽の演奏に由来するらしい。

打ち合わせとは、本来、打楽器を打って拍子を取ること。

そこから発展して、物事がうまく合うように、関係者間で示し合わすことに「打ち合わせ」というようになったらしい。

仕事で使う「打ち合わせ」は、もともとは音楽の「拍子合わせ」であり、今風にいうと「セッション」なのである。

そう、「打ち合わせ」を音楽の「セッション」だと思えばわかりやすいのかもしれない。

打ち合わせの参加者は演奏者として、その場にいるメンバーと同じリズムを共有し、お互いの音色を持ち寄ることによって、みんなでひとつの音楽を作り出す。

あらかじめ決まった楽譜を準備しておこなうセッションもあるし、その時のインスピレーションで即興でおこなうジャムセッションもある。

クラシックがあるかもしれないし、ジャズやロックやヒップホップもあるかもしれない。

そう考えると、打ち合わせとはナマモノであり、まさにその瞬間瞬間でしか奏でることができない貴重な時間芸術、一期一会なのである。

その時その時で、どんな人とどんな音楽を奏でていきたいのか?

せっかく会社勤めをやめて、自分で自分の時間のハンドリングできるようになったので、そんな見方で自分の人生の時間を、楽しい打ち合わせに使っていきたい。

もちろん、仕事の打ち合わせは手段であって、目的ではない、ということはわかっている。

でも、よくよく考えると一周して、今の僕は、会いたい人と同じ時間を共有して、楽しい打ち合わせをしていくことを、ある意味、仕事することの目的にしているのかもしれない。

そして、いつしか僕の頭の中では、「こんな仕事を始めたら、こんな人に出会えるかもしれない」といったステップで物事を考えるようになっている自分に気づくときもある。

そういう意味で、仕事のご褒美ってなんだろう?と考える時、僕は自分の成長に対する気付きと、会いたい人と出会える喜びなんじゃないかな、と最近は考えている。

昔、布団のコマーシャルで「人生の1/3は睡眠時間です」という言葉があったが、最近の僕の場合、平日、だいたい4〜5時間は打ち合わせしている。

仮にこのままの状態が続くとすると、ざっくり僕の残りの人生の15%が打ち合わせになる。

人生は有限。とにかく、楽しい打ち合わせの時間をもっと作っていこう。

要は、そろそろリアルで会う機会も増やしていかなきゃな、という話である。

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