「Googleが行なった「最高のチームをつくる」調査の意外な結果。メンバーは重要ではなかった」という記事を最近読んだ。
どうすればいいチームを作ることができるのか?日々、悶絶しながらチームマネジメントをしている現場リーダーや経営者にとって、参考になる記事だと思うので、この公開してもOKなメモに、そのエッセンスと僕なりに思ったことを書いておこうと思う。
結論:チームメンバー個々の能力より、チーム内でどのような協力体制がとれているか、のほうが重要である。
この記事で紹介されているGoogleの調査レポートによると、重要なのはチーム全体がどう機能しているかであって、それに比べると、チームを構成するメンバー個々の能力の重要度は低い、とのこと。
例えて言うなら、いろんな4番打者を集めたスター選手チームより、協力しあえるメンバーで構成されたチームのほうが生産性が高いということのようである。
Googleに言われると、なるほど、という気分になるけど、実は、薄々そうじゃないかな、という気も一方ではしていた。(強がり)
では、いい協力体制がとれているチームというのは、どのようにすれば作れるのだろうか?
以下、5つの要素が、チームの規範(norms)として必要とのこと。
いい協力体制がとれるチーム(=最高のチーム)を作る5つのポイント
1. 心理的安全性
心理的安全性が高い職場かどうか。
2. 相互信頼
メンバー相互の信頼度が高いかどうか。(ちゃんと約束や締切を守るチームメンバーで構成されているか?)
3. 構造と明確さ
明確なチーム目標、ミッション、明確な活動計画、明確な成果指標があるかどうか。
4. 仕事の意味
自分たちのやっている仕事の意味、意義?をきちんと感じられて、目的意識が持てているかどうか。
5. インパクト
自分たちがやっている仕事の成果の実感を感じられているか?誰かの役に立てていることを感じられているか?
以上のようである。確かにそうだよね。
自分たちのやっている仕事や職場環境にこれらの要素が薄いと、そもそもモチベーションがさがりますよね。
組織リーダーはこれらの要素をきちんと自分のチームや組織に実装できているかどうか、定期的にチェックしていくことは必要かも。
ちなみに、1つ目の「心理的安全性」については、過去にこんな記事を書いたことがあるので、興味のある方はこちらもどうぞ。
以上が記事のエッセンスである。そして、以下は僕の雑感。
仕事は、能力よりモチベーションのほうが大切。そしてモチベーションは人間関係によって育まれる。
今、僕は自分で起業して会社を経営している立場だが、その立場から実感するのは、仕事というのは、「能力」ではなく「思い(そしてそこからの行動力)」のほうが大切だ、ということである。
よくベンチャーでは、頭の賢い人より、馬鹿な人のほうが成功する、という例えがある。
補足すると、厳密には、馬鹿だけど想いが強くて行動力がある人、ということになる。
一緒に仕事をする仲間も、能力ではなく、モチベーションの高い人のほうが、一緒に成長できるので、その人の心持ちがとても大切だと思っている。
つまりはモチベーションである。
モチベーションが高ければ、初めは優秀でなくても、経験を積んで成長することができる。
そして、そんな人が多く集まる職場は、やはり活気があるし、お互いにいい影響を与えやすい。
僕は経営やマネジメントの究極の役割は、そんな職場の雰囲気や、知識や経験がなくても、チームメイトとして協力しあえて、成果と成長を生み出せる仕組みを作っていくことにあるのではないか、と考えている。
例えば、稲盛さんの「アメーバ経営」という考え方だったり、初心者でもチームプレイで働けるマクドナルドのオペレーションモデルだったり、アウトプットは様々なレベルであると思うけど、優れた企業は何らかの「属人化せずに組織で成果を出し続ける仕掛け」を発明している。
大手企業でない限り、有能な人間を採用するのは難しいかもしれないけど、少なくとも働きやすい職場はどんな会社でも、経営やマネジメントの努力によって実現することはできる。
そして、モチベーションはその職場の人間関係によって育まれ、モチベーションをあげていくことによって、組織としての生産性を向上させることができる。
企業の競争力の源泉はビジネスモデルや戦略ではなく、組織であり企業風土に基づく。
いい人材が採用できないと嘆く前に、誰でも強力しあえる組織風土や、オンボーディングできる仕組みが整えられているのか?そこにもっとマネジメントは努力すべきなのかもしれない。
足るを知る、というところからのスタートなのだと思う。