辻褄を合わせる技術

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仕事をする際に大切な技術のひとつに「辻褄を合わせる技術」というのがあると思う。


「辻」は裁縫で縫い目が十文字に合う所で、「褄」は着物の裾の左右が合う所を言うらしく、要は合うべきところがきちんと合う物事の道理のことを「辻褄が合う」と言うとのこと。

そもそも人間はシングルタスクで物事を考え、主観で判断することが多いので、当たり前だけど辻褄なんて意識して日頃から動いていることはほとんどない。

そして一人だけでなく、会社という組織で物事を動かすものについては、さらに辻褄が合っていないことのオンパレードである。

組織というのは、そんなに戦略的に物事を考えている訳でもないし、いろんな矛盾の中でやりくりしているのが実態である。

だから、組織の中では「辻褄を合わせる人」というのが結構重宝される。

ちなみに、その逆でイケてないなぁ、と思うのは「辻褄が合っていないことを指摘するだけの人」である。

辻褄を合わせる目的ももちろんいろいろあって、まわりの人を巻き込んで新しい領域に挑戦するための辻褄(攻めの辻褄)もあるし、単にその場を緩くやり過ごすための辻褄(守りの辻褄)もある。

経営層から好まれるのは当たり前だけど、前者である。(後者は現場の社員から好まれる。苦笑)

どちらにしろ辻褄を合わせるという作業は、とても挑戦的でクリエイティブな仕事だ。例えて言うなら、それは坂本龍馬みたいな立ち位置の仕事かもしれない。(最近西郷どんを毎週観ているゆえの例え)

それは、理屈をこねくり回すというより、新しい景色を描いて見せる作業に近いんじゃないかな、と僕は思っている。

そんな辻褄を合わせる作業を、技術論として捉えた場合、いくつかの大切なポイントがある。

ひとつめは、できるだけいろんな立場の人が合意形成できる(つまり大義名分のある)、キーフレーズやキーワードを使って辻褄を合わせていくこと。

こういう部分のセンスはかなり政治家やコピーライターに近いと思う。辻褄を合わせる時の錦の御旗選びは大切である。会社で言えば、ビジョンとか、社長がその時よく使っている戦略キーワードなんかがそれに当たるかもしれない。

ふたつめは、相手の共感を引き出す辻褄になっていること。

共感が得られない辻褄は、理屈が合っていたとしても、それは単なる屁理屈だとか言い訳だと言われてしまう。

共感を引き出す鍵は、その理屈が相手にとっても都合のよい未来の情景につながっているかどうか、ということだ。

そうなったら、もはやその辻褄は「理屈」を超えて「物語」に近い感じになっているのかもしれない。

なので、深刻なテーマほど、偉大な「辻褄ストーリーテラー」が必要である。そもそもは辻褄を合わせたいだけなんだけど。

7つの習慣の4つ目の習慣の中に「Win-Winを考える」というのがある。
さらにその中で「第三の案を考える」というのがあって、僕はこの考え方がとても好きだ。

簡単に説明すると、こんな感じ。(なんと図解入り)
相手と交渉する時、普通はこんな感じ↓で合意形成を取りがちなんだけど、

辻褄その1

第三の案を考えるというのは、こういうイメージ↓である。

辻褄その2

これこそ、辻褄合わせの極意なのではないかと思っている。

例え、お願いされてた仕事をサボってた時の辻褄合わせだとしても。

とりあえず、今日のところはこれでおしまい。

「辻褄を合わせる技術」の残りの大切なポイントは、また今度考えることにしたい。(=後日辻褄を合わせたい)