圧倒的な当事者意識

       
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リクルートの企業文化を表す言葉のひとつに「圧倒的な当事者意識」という言葉があるそうだ。
当事者意識が段違いに優っている、と言っているのである。
当事者意識とは何なのか?なぜ、そんな意識が生まれてくるのか?
僕はリクルートの人間ではないけど、とても印象的な言葉だったので、リクルートのサイトで調べてみると、こう書かれていた。

企業文化(カルチャー)
①「起業家精神」を持った個人に、若いうちから大きな仕事の機会が与えられ、より速く成長する
②「圧倒的な当事者意識」を育むために、フラットなコミュニケーションとフィードバックが日々繰り返される
③「個の可能性に期待し合う場」から、より大きな成果が生まれる
これらを支えるコミュニケーションの中心には”お前はどうしたい?”という言葉があります

“ お前はどうしたい?”。。。熱いなぁ。
そもそも「リクルート 圧倒的な当事者意識」でググると47,100 件もヒットすること自体、熱すぎる。
トヨタ自動車の「カイゼン」しかり、京セラの「アメーバ経営」しかり、組織マネジメントの目的は、メンバー一人ひとりの「当事者」意識をどう引き出せるか、に尽きるのだろう。
ここで言う「当事者」というのは具体的にどんな立場の人を指すのだろうか。
アメーバ経営で有名な稲盛さんがなぜアメーバ経営を編み出したのか、を語った言葉がある。

「切実に思ったのは孫悟空が毛を抜いて分身を作るように、私と同じように考え、判断してくれる社員がいてくれたらどんなに楽か、ということでした」

「当事者意識」というのは、「経営者視点」ということに置き換えられることもできるのだろう。
一方、そんな動機からはじまった組織マネジメント手法に社員が従うのは、当たり前だけど従うことによるリターンがあるからだ。短絡的に考えると、「経営者視点」で働くのだったら、普通「経営者と同じ報酬」をもらわないと割りが合わない。
稲盛さんの場合は「全従業員の物心両面の幸福の追求」という経営側からのコミットメントだろうし、リクルートはある種「リクルートアセットを活用した起業支援」なのかもしれない。
単なる経営側からの一方的な当事者意識の押し付けだけだと、表面的なスローガンに終わって、現場や中間管理職はそれこそ面従腹背で仕事を処理し、組織としてはリスキーな運営状態に進んでいくことがある。
最近、企業などの組織で不祥事が起こった場合、外部の第三者事故調査委員会みたいなところが作るレポートには必ずと言っていいほど、事故の要因に「当事者意識の欠如」という言葉が出てくる。
前提としては、「働く」ということに対するその組織毎の価値共有と、経営と現場の信頼関係があるかどうか、なのだろう。
 

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