ディレクターバンクでは登録していただいたディレクターさん限定で、毎月オンラインMTGを開催している。
毎回テーマを決めて、それについて専門家をお呼びしてお話をうかがったり、みんなで意見交換したりしている。
先日おこなった月例オンラインMTGのテーマが、この地雷案件の見極め方だった。
Webマーケティングの運用や、Webの制作案件を請け負う視点からみて、危険な案件(地雷案件)を、どのようにして事前に見極めることができるか、といったテーマで、参加メンバーから意見を募ってみた。
寄せられた意見はこんな感じである。
地雷案件の見極め方
- 依頼されている業務内容と報酬がそもそも見合ってない。
- 営業の案件の取り方が誇張ぎみ。
- 先方の現場とトップの温度差が大きい(やる気のない現場と、やる気のあるワンマン社長)
- 初対面でのマウンティング(コミットを要求する)。言葉ではパートナーと言いながら、態度が下請けに対する対応
- 電話対応が雑。
- メールの文面がおかしい。雑だったり要領を得ない返事。
- レスポンスが悪い(忙しい=仕事ができる人ほどレスポンスは早いもの!)
- 出されたコーヒーが不味い。
- 相手との相性がなんだか悪い。噛み合わない。(今後、一緒に考えてもらえるか?/チームとして進められるかという点でも、フィーリングが合うかどうかはけっこう大事!)
以上である。
出されたコーヒーが不味い。というのは、とても斬新な視点だなぁ、と個人的には関心した。微妙に思い当たる節もある。
そして、MTGでは「なぜ、そんな地雷案件が発生してしまうのか?」という話にも展開した。
そこでやりとりされた意見に僕の考えをマージすると以下な感じである。
なぜ、そんな地雷案件が発生してしまうのか?
1.コミュニケーションのズレ
特に間に第三者(代理店、営業)が入ることによって起こる。
2.意識のズレ
クライアントの担当者に当事者意識がない。自社の商品に愛着がない。など。
他力本願はいいのだけど、理解していこうという姿勢がないため、依頼の仕方が大雑把になりがち。
また、なんでも上司確認になって、レスポンスが悪いため、何かと時間がかかってプロジェクトの炎上確率があがる。
3.そもそも地雷案件を生み出しやすいクライアント側の組織風土がある。
例えば、大企業の小会社は、当事者意識がない人達が集まりやすく、問題が深刻になるまで放置しがちになる。
もしくは、本当に大切な問題には切り込まず、大勢に影響のない課題だけに取り組んで、大きな成果を上げられないか?と考えがち。
また、社長以下、そもそものマネジメントスタイルが部下に対してマウンティングをしがちな組織は、最下層の現場の担当者も、外部のパートナーに対してマウンティングをして、無理な要求を出しがちになる。
当事者意識がない人達が集まっている組織や、マウンティングするマネジメントが上から一蓮托生になっている組織などは、そもそも外部のパートナーの能力をうまく引き出すことは難しく、地雷案件を作りやすい。
このあたりは、以下のブログにも以前書いたことがあるのでよかったらどうぞ。
そろそろこの記事の締めにいきたいと思うのだが、「で、そんな地雷案件にあった時、どうするか?」である。
地雷案件にあった時、どうするか?
A.引き受けない。
B.フォーカスをかなり限定して受ける。
素早く作業をして、納品して撤収する短期決戦である。
C.相談された課題のレベルをもっと上げた視点で、取り組むべき施策を提案する。
これはかなりハイリスク・ハイリターンな戦法である。
”本当の問題、本当に取り組むべき課題はそれではなく、もっと上の部分にある「○○」ではないですか?だとしたら、まず「△△」から取り組むべきだと思いますがいかがですか?”的な提案である。
もし、組織を変えたいと思っている改革者が現場責任者として、対峙できている場合は、その改革者を支援するパートナーとして提案する作戦である。
もし、その提案が外れたとしても、所詮、失うものはなにもない。
ディレクターバンクが新規顧客からWebマーケティングの運用の相談を受けた場合、あまりそのままやっても成果が出なさそうな場合は、実は、Cの戦法で提案するケースが多い。
地雷案件を創り出すのは、発注者側なんだけど、実際、そこを踏んで地雷案件にしてしまうのは、こちらの振る舞い次第である。