AIが普及している背景として、現時点でのAIのアウトプットが人間より優れているからという理由だけでなく、今より質を落としてでも生成AIを利用したほうがコストが下がる(もしくは処理スピードが上がる)から、という判断をしている現場もある、という記事を読んで、そういう部分って大きいだろうなぁ、と思った。
AI導入を検討する際、「AIと人間、どっちがいいアウトプットが出せるのか?」といった、品質比較に関心が集まりがちだけど、一方で、「そもそも、その仕事のアウトプットって、現状の60%くらいの品質でも全然OKじゃない?」といった、現状の業務品質を見直すことも、とても大切なことなんじゃないかな、とも思う。
そもそも、チャット型の生成AIを使う時、依頼したいことを適切なプロンプト(指示命令)にする、という、こちら側のアウトプット品質が最初に問われる。
このプロンプトを作る際に大切だと個人的に思うポイントは2つ。
ひとつは、できるだけお願いしたいことをシンプルかつ具体的なリクエストとして、受け手側(生成AI側)の認識の振れ幅を少ない形に言語化してあげること。
もうひとつは、相手(生成AI)のアプトプットに最初から高望みしないこと。相手と何往復かやりとりをしていく中で、いいアウトプットを一緒に探していくスタンスをとればいい。
これって、AIに限らず、様々な価値観や世代やバックグラウンドの人と一緒に仕事していく際にも全く同じことが言えるのではないだろうか?
できるだけ平易な言葉で具体的に自分の考えや依頼を伝えること。
初めから相手に対して高望みはせず、一緒にお互いにとっての納得解を見つけに行くスタンスを取ること。
相手に対する要求水準を最初から上げてしまうと、それが壁になって、結果、一緒に仕事をする人が限られてしまう。
多様化が進むこの世界で、自分と違った価値観やバックグランド、世代の人たちと仕事をしていくためには、できるだけこういった壁(相手に対する要求水準の高さ)は低くしておいたほうが得策である。
相手がもっとスキルを積むべき、こちらの考えを忖度すべき、といった傲慢な視点は、壁を作る要因となり、結果、自分の仕事を窮屈なものにしてしまう。
まず、最初から相手に期待しすぎないこと。そして相手との対話をいとわないこと。
ということで、AIをうまく活用できるようになれば、いろんな人と上手に仕事を進められるスキルも同時に身につけられるんじゃないかな?と、最近想像している。
そして、そんなトライアンドエラーの先に、AIのイノベーションの果実も手にすることができるのだろう。
そのときには、AIによって自分の業務を奪われた立場の人間ではなく、AIによって新しい顧客提供価値を生み出せている編集者になっているのだろう。
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