AI検索に振り回されないための、マーケティングの自分軸を作る

最近、AI検索に対応したコンテンツマーケティングの動向についての情報が急激に増えてきた。

「AI検索で自社の情報を取り上げてもらうためには?」

「AIに評価されるコンテンツの作り方とは?」

……業界のあちこちでこういう話が溢れている。

僕も「ちゃんとキャッチアップしなきゃ」と思いつつ、いろいろ情報収集はしているのだけど、正直、日々のキャッチアップだけで大変である。

なんせ、いろんなAI検索の機能リリースやルール変更のスピードが早すぎて、それを追い続けるだけでお腹いっぱいになってしまう。

そんな日々の情報から一歩離れて、少し遠目から眺めてみると、当たり前の仮説に気づく。

結局、AI検索対応のコンテンツマーケティングで語られているこれからの方向は、マーケティングの基本をAI検索なりに再現しようとしているだけなんじゃないかな、ということである。

「マーケティングの基本」という点を、僕なりに整理すると、こんなところ。

1. 自分というブランド(立ち位置)をしっかり言語化すること

2. それが「誰の、どんな提供価値」になるのかを明確にすること

3. それをきちんと世の中に認知させること

そんな、僕なりに思うことを、改めてこの公開してもOKなメモで整理してみたいと思う。

競合と比べる前に、まず「自分たちは何者か」を語ること

お客さんと話していると、「競合との違いをどう説明しようか」という相談をよく受ける。もちろん大切な議論だ。でも正直なところ、その前に「自分たちは何者か」がそもそも伝えきれていないことの方が多い。

企業のホームページを見ていると、競合との差別化ポイントをロジカルにアピールしているページはよく見かける。でも、どんな思いで仕事をしているのか、どんなお客さんと仕事がしたいのか、そういう「一人称の言葉」が、驚くほど少ない。

うろ覚えだが、昔こんな話を聞いたことがある。上場企業のホームページで「一人称」の使い方と株価の関係を調べたアナリストがいて、「当社」より「私たち」を使う会社の方が株価が高い傾向があったという。要はきちんと主観を込めたメッセージ発信のほうが株主に響きやすいというエピソードである。

思うに、本当の差別化というのは、客観的なデータより、「どういう思いでやっているか」「何にこだわっているか」という主観的な部分にこそ宿るものだ。「客観軸で競合と比べる」よりも先に、「自分軸で自分たちを語る」。ここを丁寧にやっている会社が、これからは選ばれていくと思っている。

相手視点に立って、情報を「先回り」して公開しておく

次に「誰のどんな痛みに共感し、それに貢献できる情報を先回りして公開できるか?」という視点も大切である。それは「自分たちが伝えたいこと」ではなく、「相手にとって役に立つこと」を起点に情報を設計することだと思っている。

相手がどんな状況にあって、何に悩み、次のステップに進むために何が必要なのか。それを先回りして用意しておく。BtoBのビジネスの場合なら、担当者ひとりで意思決定できることはほとんどなく、上司への説明や関係部署の合意が必要になる。「提案を通すための情報」ではなく、「関係者が社内で判断しやすい言語」を渡しておく、という感じになると思う。

ホームページもSNSも、こういう視点で設計すると、お客さんから「この会社となら一緒にやっていけるかも」という感覚が生まれやすくなる。相手を正面から説得するような「押し」の情報ではなく、相手の行動を後ろから「後押し」してあげるような情報がいいのだと思う。

第三者からの評判を、戦略的に育てること

どれだけ自社が発信しても、第三者からの評価にはかなわない。お客さんは最終的に、誰かから聞いた評判や、信頼している人からの紹介で動くことが多いからだ。

AI検索が広まるにつれて、この傾向はますます強まると思っている。AIが参照する情報は自社サイトだけではなく、外部メディアへの掲載、SNSでの言及、業界の口コミまで含まれる。「この会社は信頼できる」という印象は、こうした第三者の声が積み重なって形成されるものだ。

大切なのは、広く薄く認知を取ることより、届けるべき人に深く届けることだと思っている。情報供給量が増えている今、SNSのアルゴリズムも「深く刺さった受け手が反応し、その先に伝播していく」という構造になっている。業界のキーパーソンや影響力のある人との関係を作り、「あの人が言うなら信頼できる」という文脈で名前が出てくるようになること。これが、これからの認知戦略でいちばん効いてくると思っている。

AI検索の最適化を追いかけることは大切だ。ただ、その先にあるのは結局、ごく当たり前のことだと思っている。自分たちが何者かをきちんと語ること。相手の立場に立って、役に立つ情報を先回りして出すこと。そして、第三者に信頼してもらえる存在になること。技術がどう変わっても、この3つの軸はなくならない。AI時代だからこそ、「誰が言っているか」「どんな人か」という問いが、ますます問われていく気がしている。

ということで、以下、実は今週こんなセミナーやります。よかったらぜひご参加ください。(もっと実践的なヒントが学べます。笑)

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