今年でディレクターバンクは9期目に入った。
様々な方との良い御縁に恵まれたおかげで、どうにかここまでたどり着けた、というのが正直な感想である。
そして、様々な試行錯誤を繰り返す中で、「事業を安定、継続させるためには何が大切か?」ということも少しずつわかってきたような気がする。
それは、自分の存在も含め「属人化しない事業運営モデルをいかに作るか?」ということに尽きるんだろうなぁ、と最近考えている。
マクドナルドより美味しいハンバーガー屋さんは世の中にいっぱいある。でも、ハンバーガー屋さん(にとどまらず外食産業)の中で売上No1はマクドナルドである。なぜか?
語り尽くされているテーマだけど、マクドナルドには強力な「ブランド」と「属人化しない事業運営モデル」がある。
マクドナルドのブランドイメージには、「リーズナブルかつスピーディーに、いつもの味をどの店でも同じレベルで提供してくれる」安心感がある。
それは、特別な調理技術を持たないスタッフでも、一定の品質のハンバーガーを調理して提供することができる、秀逸なオペレーションシステムによって実現されている。
特に素晴らしいのは「マックジョブ(と、どちらかといえばネガティブなシーンで使われることが多いけど)」という言葉があるくらい、「どんな人でもスタッフとしてすぐ働ける」オンボーディングシステムにあると思う。
事業運営上、「秘伝のタレ」のような属人的なブラックボックスは単なるリスクである。
誰とでも分かり合える仕事のルールや、誰でも一定の品質が継続的に出せる仕組みが必要であり、それが事業を安定、継続させる事業運営モデルの核となる。
AIやDXの浸透によって、職人的な「秘伝のタレ」に誰でもアクセスできるような時代になってきた。
それは「秘伝のタレ」を持っている人にとっては迷惑な話だと思うけど、持っていない人にとっては、より自由に新しい仕事にチャレンジできる、いい時代になってきたのだと思う。
「秘伝のタレ」を持っている人にとっては、自分だけの「秘伝のタレ」を持ち続けて今のビジネスを守り続けるのか、あえてそれをシェアして新しい仲間を作って新しいビジネスに打って出るのか、そんな分水嶺になっているのかもしれない。
僕は小学校の国語の教科書で学んだ「スイミー」という話がとても好きだ。
ひとりぼっちの小さな魚スイミーは、海の旅の中で小さな魚の仲間達を見つけ、大きな魚に食べられないように、みんなで1匹の大きな魚のふりをしながら自由に海を泳いでいく話。
お互いの役割分担と一緒に動くルールが共有できれば、1人では生み出すことのできない大きな価値を作ることができる。しかも特殊な能力やスキルがなくてもそのチームに参加できる。
ディレクターバンクの中で今まで自分たちが作り上げた仕事の進め方(秘伝のタレ)を、誰とでも共有できる仕組みにして、より多くの人と一緒に働ける仕事の環境を作っていくこと。
AIやDXをフル活用して、属人化しないディレクターバンクらしい事業運営モデルを作ること。
これが、9期目を迎える僕の経営課題である。
どんなバックグランドを持った人でも、簡単にオンボーディングできて、一緒に働ける、風通しの良い協業の場を作っていきたい。
AIやDXの活用は、人から仕事を奪う存在ではなく、そんなフレキシブルな協業、自由な働き方を選べるきっかけになるんじゃないかな、と僕は考えている。
事業運営する側にとっても、働くメンバーにとっても、Win-Winな形になれる、ディレクターバンクならではの幸せな「マックジョブ」システムをこれから作っていきたい。
まさに、スイミーのようなチームができたらいいな、と最近想像しています。
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